今年度第39回の大会を、以下の要領で開催いたします。
会場の詳細については、決まり次第お知らせ致します。
スペイン史学会
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スペイン史学会第39回大会
日時:2017年10月29日(日) 13:00~17:30
会場:慶應義塾大学日吉キャンパス 来往舎シンポジウムスペース
タイトル:
「ムデハルとは何か?―中世スペインの宗教・文化的多様性をめぐる議論と展望」
*スペイン・ラテンアメリカ美術史研究会との共催
趣旨文:
中世イベリア半島に存在したとされるイスラーム、キリスト教、ユダヤ教の「三宗教の
共存」に対する評価は、いまもなお揺れ動き続けている。いわゆるレコンキスタの後、
キリスト教諸国内で信仰の自由を許された状態で居住しつづけた残留ムスリム、すなわ
ちムデハルは、この共存関係を体現する存在とみなされてきたといえよう。しかし近年
の研究の進展によって、このような「牧歌的な見解」は修正を余儀なくされている。な
ぜならムデハルをめぐる最新の研究は、もはや狭義の中世文献学の枠を完全に超えてい
るからである。とりわけムデハル文化が花開いたとされる中世後期(13~15世紀)を対
象とする研究は、美術や建築、あるいは言語といった多角的なアプローチをとるように
なっており、ムデハルと彼らの残した文化の評価について、時に過激な議論が国際的に
かわされている。宗教間の対立と和解に関して、さまざまな言説が飛び交ういま現在、
かかる研究の進展をふまえながら「ムデハルとは何か?」が、あらためて問われなけれ
ばならない。
報告者:
阿部俊大(同志社大学 文学部)
文献史学におけるムデハル研究の現状と課題
久米順子(東京外国語大学 総合国際学研究院)
「ムデハル美術」を振り返る ―その功罪をめぐって
伊藤喜彦(東海大学 工学部)
「ムデハル建築」は存在しない?
―キリスト教建築とイスラーム建築との影響関係をめぐって
コメンテーター:
亀谷学(弘前大学 人文社会科学部)
押尾高志(千葉大学大学院 人文社会科学研究科・博士後期課程)
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